病院で働く理学療法士の1日スケジュール|8年半勤めた私のリアルなタイムテーブル

転職体験談

「病院の理学療法士って、1日どんなふうに働いているんだろう?」

これから就職する学生さん、転職で病院を検討している人にとって、気になるところだと思います。求人票を見ても、1日の流れまでは書いてありません。

私は新卒で入った病院に8年半勤めました。この記事では、当時の1日を実際のタイムテーブルそのまま公開します。

そして後半では、この8年半のあいだに、業界の働き方そのものが変わっていったという話をします。私が新人だった頃と、辞める頃とでは、残業の常識がまったく違っていました。

📌 この記事で分かること

  • 病院PTの1日のタイムテーブル(実例)
  • 午前・午後それぞれ何単位こなしていたか
  • 8年半で残業がどう変わったか、そしてなぜ変わったか

まず結論:定時は8:30〜17:00。でも朝は8:00に来ていた

定時より30分早く出勤して、カルテを確認するのが日常でした。
1日の単位数は15〜21単位。そして残業は、年々減っていきました。

病院PTの1日タイムテーブル

8:00 出勤

 └ その日担当する患者さんのカルテをチェック

8:25 清掃・消毒

8:30 朝礼(前後で申し送り) ← ここが定時

8:50 入院患者さんに、その日のスケジュールを伝える

9:00 1人目のリハビリ開始

午前 9単位ほど

12:20〜13:20 昼休み(60分)

午後 6〜12単位(時期によってムラあり)

17:00 定時

 └ 実際の退勤時刻は、年代によって大きく違いました(後述)

朝:定時は8:30。でも8時には来ていました

ここが、求人票には絶対に書かれていない部分です。

私は毎朝8時に出勤していました。定時は8時30分なので、30分の早出です。

何をしていたかというと、その日に担当する患者さんのカルテチェック。前日からの変化、検査結果、他職種の記録——これを見ずに臨床に入るわけにはいきません。

そして8時25分から清掃・消毒。8時30分の朝礼で、前後に申し送り。8時50分には入院患者さんのところへ行き、その日のリハビリの予定を伝えます。

9時に1人目を始めるためには、逆算すると8時に来るしかなかった——というのが実感です。

午前:9単位

9時から昼休みまでで、9単位ほどこなしていました。1単位20分なので、180分=3時間。

つまり9時から12時20分まで、ほぼ切れ目なく患者さんと向き合っている状態です。

昼:12時20分から60分

昼休みは60分しっかりありました。ただし、この時間に記録を書いてしまうこともありました。

午後:6〜12単位(ここにムラがある)

午後は幅がありました。少ない日で6単位、多い日で12単位。時期によってムラがあったのです。

午前と合わせると、1日15〜21単位。ならすと平均18単位ほどでした。

💡 この単位数が売上にすると:18単位は、診療報酬にすると1日あたり約3.3万円の売上になります。くわしい計算は理学療法士は1日いくら売り上げている?で公開しています。

残業のリアル|8年半で、業界そのものが変わった

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

私が入職したのは2013年。辞めたのは2021年です。この間に、残業の常識がはっきり変わりました。

時期 実際の退勤
新人だった頃(2013年〜) 21:00前後
退職前の数年(〜2021年) 17:30前後〜19:00

新人の頃は、21時まで職場にいました。8時に出勤しているので、13時間です。

大事なのは、これが「私が成長したから」ではないということ

最初に書こうとしたのは、「経験を積んだから早く帰れるようになった」という話でした。でも、それは正確ではありません。

なぜなら、退職前の数年は、新人でも残業がほとんどなかったからです。

変わったのは私ではなく、職場と業界のほうでした。

何が変わったのか

大きかったのは、次の2つだと感じています。

① 働き方改革

時間外労働の上限規制が法制化され、医療機関でも労働時間の管理が厳しくなりました。「遅くまで残っているのが頑張っている証拠」という空気が、はっきり変わっていきました。

② 業界全体の意識の変化

リハビリ業界にとって大きかったのが、臨床実習をめぐる問題が社会的に注目されたことです。

関西の養成校で、臨床実習中の学生が亡くなる出来事が起きていました。2018年には裁判で、指導時のハラスメントとの因果関係、そして養成校と実習先の安全配慮義務違反が認められる判決が出ています。

これを受けて、厚生労働省の検討会で臨床実習のあり方が議論され、日本理学療法士協会の手引きにもハラスメント防止が盛り込まれました。

学生の実習環境を見直す流れは、そのまま職員の労働環境を見直す流れにもつながっていった——私はそう感じています。

※この経緯は、私が現場で見聞きした範囲の実感を含みます。制度や判例の詳細は、厚生労働省や日本理学療法士協会の公表情報をご確認ください。

それでも、新人の頃に時間がかかった理由

とはいえ、私自身が新人の頃に時間がかかっていたのも事実です。振り返ると、理由は5つありました。

  • 記録・書類作成に時間がかかった(カルテ、評価表、計画書)
  • 担当患者さんの情報収集や勉強に時間をかけていた
  • 先輩に相談し、指導を受けていた
  • 翌日の準備に時間がかかった
  • 単純に、要領が悪かった

正直に書きましたが、最後の1つが大きかったと思います(笑)。

ただ、2つ目と3つ目は無駄な時間ではなかったとも感じています。あの時期に患者さんのことを調べ、先輩に聞いたことが、あとになって効いてきました。

今、長時間残業している人へ

⚠ それは、あなたの能力の問題ではないかもしれません。
私が新人だった2013年頃は、21時まで残るのが珍しくない職場でした。でも今は、業界の基準そのものが変わっています。
もし今あなたが毎日のように遅くまで残っていて、周りも同じ状態なら、それは個人の要領ではなく、職場の体制の問題である可能性があります。「自分がダメだから」と抱え込まないでください。

職場を変えるという選択肢もあります。「辞めたい」と感じたときに、それが職場に対するものなのか仕事そのものに対するものなのかを整理する方法は、こちらの記事に書きました。

※心身の不調が続いているときや、つらい気持ちが強いときは、ひとりで抱えずに相談してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に、電話・SNSの相談窓口がまとめられています。

急性期と回復期で、1日の流れは変わるのか

私は同じ病院で、急性期病棟と回復期病棟の両方を経験しました。

結論を言うと、1日の流れ自体は大きく変わりませんでした。出勤・朝礼・単位をこなす・記録、という骨格は同じです。

違いがあったとすれば、業務後の症例検討など、勉強の機会が入ってくる点でしょうか。

それぞれの時期でリハビリの目的や関わり方がどう変わるかは、急性期・回復期・維持期の違いとリハ職の役割にまとめています。

訪問リハと比べると、どうか

私は今、訪問リハビリで働いています。病院時代と比べると、1日の形がかなり違います。

  病院 訪問リハ(現在)
出勤 8:00(定時の30分前) 8:20〜8:25(定時の少し前)
定時 8:30〜17:00 8:30〜17:30
残業 新人期は21時まで(当時)。後年はほぼなし ほとんどなし

訪問リハの1日の流れはこちらの記事で公開しています。あわせて読むと、職場によって働き方がどれだけ違うかが見えるはずです。

まとめ

病院PTの1日は、8時出勤(定時は8:30)・午前9単位・午後6〜12単位・17時定時。私が新人だった2013年頃は21時まで残るのが普通だったが、働き方改革と業界の意識の変化で、辞める頃には新人でも残業がほとんどなくなっていた。長時間残業は、個人の要領ではなく職場の問題かもしれない。

8年半という時間は、ひとつの業界が変わるのを見届けるには十分な長さでした。

これから病院で働く人は、私が新人だった頃よりずっと良い環境からスタートできるはずです。それでも「ここはおかしいかもしれない」と感じたら、その感覚を大事にしてください。基準は、変わっていいものなのですから。

理学療法士が2回転職して分かった本音

📖 Kindle本、出版しました

理学療法士が2回転職して分かった本音

病院8年半を含む13年間のリアルを1冊に。年収の実数推移も公開しています(Kindle Unlimitedなら読み放題)。

Amazonで見てみる ▶

タイトルとURLをコピーしました