理学療法士が転職を考える理由として、必ず上位に来るのが人間関係です。
そして、よくこう言われます。
「大きい病院は人が多くてギスギスしがち」
「少人数の職場はアットホームで働きやすい」
私はPT25名の病院・6名のクリニック・10人前後の訪問リハと、規模のまったく違う3つの職場を経験しました。
そのうえで言うと、この通説は、私の経験とは逆でした。
📌 この記事で分かること
- 規模の違う3つの職場で、人間関係がどう違ったか
- 「少人数=働きやすい」が必ずしも成り立たない理由
- 職場選びで、人間関係をどう見極めるか
まず結論:人数が決めるのは「逃げ場の多さ」
人数の多さは、仲の良さを決めるものではありません。
決めているのは「合わない人がいたときに、逃げ場があるかどうか」でした。
【比較】3つの職場の人間関係
| 職場 | 規模 | 実際の雰囲気 |
|---|---|---|
| ケアミックス病院 | PT約25名 | いい雰囲気だった |
| 整形外科クリニック | PT約6名 | 成長環境は良かったが、合わない人がいた |
| 訪問リハ(現在) | 10人前後 | 話す機会は少ないが、悪くない |
病院(PT約25名)|大所帯だから、良かった
新卒で8年半勤めた病院は、素直にいい雰囲気の職場でした。
25人もいれば、当然いろいろな人がいます。全員と仲が良かったわけではありません。
でも——人数が多いと、合わない人がいても分散されるのです。
相談できる先輩が複数いる。同期がいる。配属が変われば関わる相手も変わる。ひとりの人との関係が、職場のすべてにはなりません。
これが大所帯のいちばんの強みだったと、今は思います。
クリニック(PT約6名)|成長はできた。でも逃げ場がなかった
次に移った整形外科クリニックは、私にとっていちばん難しい職場でした。
まず、良かった点を正直に書きます
成長環境としては、本当に良い職場でした。
- いろいろな患者さんを担当できた
- スポーツ整形の分野にも関われた
- 上司や周囲のレベルが高かった
技術的には、確実に伸びた時期です。あの環境でなければ学べなかったことがあります。
それでも、合わない人がいた
一方で、直属の上司やその周辺の人たちとは、どうしても合いませんでした。
ここで大事なのは——
💡 実力がある人と、自分に合う人は、別です。
合わなかった相手は、理学療法士としては実力のある人でした。私が「レベルが高い」と感じていた相手でもあります。
能力の問題ではなく、相性の問題だった。これは、どちらが悪いという話ではありません。
そして、6人には逃げ場がなかった
ここが決定的でした。
PTが6人の職場で、直属の上司と合わない。これは毎日、確実に顔を合わせ続けるということです。
25人の職場なら、距離を取ることもできたでしょう。別の先輩に相談することもできたはずです。でも6人では、それができません。
「少人数=アットホーム」は、人間関係がうまくいっている場合に限った話でした。うまくいかなかったとき、小さい職場は想像以上に苦しくなります。
私がこのクリニックを辞めた経緯は、クリニックから訪問リハビリへ転職した体験談に書きました。
訪問リハ(10人前後)|そもそも、顔を合わせない
現在の訪問看護ステーションは、出入りはありますが10人前後の規模です。
人数だけ見ればクリニックに近いのに、人間関係の感じ方はまったく違います。理由は単純で、みんな訪問に出てしまうからです。
朝に少し顔を合わせ、昼に戻ってきたときに少し話す。それくらいです。話す機会が少ない分、摩擦も起きにくいのだと思います。
雰囲気は悪くありません。ただ、じっくり相談したい人には物足りないかもしれないとも感じます。1日の流れを見ると、その理由が分かると思います(訪問リハビリの1日スケジュール)。
結局、人数で何が変わるのか
3つの職場を並べて見えてきたのは、こういう構造でした。
| 規模 | 合う人がいるとき | 合わない人がいるとき |
|---|---|---|
| 大所帯 | 相談相手が多い | 分散される・距離を取れる |
| 少人数 | 密に関われる | 逃げ場がない |
| 訪問系 | 相談の機会は少なめ | そもそも接触が少ない |
少人数の職場は、当たればとても良い。外れると逃げ場がない。振れ幅が大きいのです。
職場選びで、人間関係をどう見るか
とはいえ、入る前に人間関係を完全に見極めるのは不可能です。そのうえで、私が今なら見るポイントを挙げます。
① 人数を確認する
求人票に書いていなければ、面接で聞いてください。「リハビリスタッフは何名ですか?」は、まったく失礼な質問ではありません。
少人数の職場を選ぶなら、「合わなかったときに逃げ場がない」というリスクも込みで選ぶことになります。
② 見学して、空気を見る
可能なら見学させてもらいましょう。スタッフ同士がどう話しているかは、短時間でも意外と伝わります。
私が今の訪問リハを選んだ決め手のひとつは、「働いている人がのびのびしていた」ことでした。
③ 「レベルが高い=自分に合う」ではないと知っておく
技術的に尊敬できる人が、一緒に働きやすい人とは限りません。
これは、私がクリニックで学んだことです。成長できる環境と、心地よく働ける環境は、必ずしも一致しません。どちらを優先するかは、そのときの自分次第です。
面接で確認すべきことはこちらの記事にまとめています。
まとめ
PT25名の病院はいい雰囲気、6名のクリニックは成長できたが合わない人がいた、10人前後の訪問リハは接触自体が少ない。人数が決めるのは仲の良さではなく「逃げ場の多さ」。少人数は当たれば良いが、外れると逃げ場がない。
人間関係は、入ってみないと分からない部分が大きいのは事実です。
それでも、「この規模なら、合わなかったときにどうなるか」を想像しておくだけで、選び方は変わります。
もし今の職場がつらいなら、それが人間関係によるものなのか、仕事そのものによるものなのかを整理してみてください。その方法は理学療法士を辞めたいと思ったらに書きました。
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