「理学療法士、もう辞めたいな……」
ふと、そう思ってしまう日ってありますよね。
私も理学療法士として13年働いてきて、「辞めたい」と思ったことは一度や二度ではありません。しかも私の場合、「この職場を辞めたい」だけでなく、「理学療法士という仕事そのものを辞めたい」と思ったこともあります。
この記事では、そんな私の体験をもとに、「辞めたい」と感じたときにどう考えればいいのかを、正直にお話しします。
📌 この記事で分かること
- 「辞めたい」を2種類に分けて考える方法
- 現役PTが“仕事そのもの”を辞めたくなった話と、踏みとどまれた理由
- 辞める前に試してほしい3つのこと
まず結論:その「辞めたい」は、職場?それとも仕事そのもの?
「辞めたい」には2種類あります。
①この職場を辞めたい ②理学療法士という仕事そのものを辞めたい。
この2つは、まったく別の悩みです。
ここを混同したまま勢いで動くと、「辞めなくてもよかったのに辞めてしまった」あるいは「本当は環境を変えるべきだったのに我慢し続けた」という、遠回りをしてしまいます。
まずは自分の「辞めたい」がどちらなのかを見極めることが、いちばん大事だと私は思っています。
【職場を辞めたい】場合:私はこれで救われた
まず、多くの人の「辞めたい」は、実はこちらです。理学療法士という仕事が嫌いなのではなく、今いる職場がつらいだけ、というケース。
私自身がそうでした。整形外科クリニックで働いていた頃は、朝早くから夜遅くまで拘束され、上司との関係にも深く悩んでいました。通勤の途中で、胸が苦しくなる日もあったほどです。
あの頃の私は、たしかに「辞めたい」と毎日思っていました。でも今振り返ると、それは「理学療法士を辞めたい」のではなく「この職場を辞めたい」だったんです。
実際、私は職場を訪問リハビリに変えたことで、その苦しさからは解放されました。仕事内容そのものは同じ理学療法士なのに、働く場所を変えるだけで、悩みの大半が消えたのです。
⚠ ここがポイント:「職場を辞めたい」だけなら、転職や異動で解決できます。理学療法士は職場の種類が豊富な資格です。辞める前に「別の職場」という選択肢を必ず検討してください。
病院・クリニック・訪問・施設では、働き方も人間関係もまったく違います。この話は理学療法士の職場の種類と特徴まとめにくわしく書いたので、あわせて読んでみてください。
【仕事そのものを辞めたい】と思ったこともある
ここからは、もう少し正直な話をします。私には、「この職場」ではなく「理学療法士という仕事そのもの」を辞めたくなった瞬間もありました。
きっかけは、話を聞いてくれない利用者さんだった
それは、わがままで、こちらの話をまったく聞いてくれない利用者さんに出会ったときでした。
良くなってほしくて提案をしても、聞き入れてもらえない。こちらの説明も届かない。何のためにこの仕事をしているんだろう——そう感じてしまう場面が、正直あったのです。
そういうとき、頭をよぎるのは「職場を変えよう」ではありません。「もう理学療法士という仕事自体、向いていないのかもしれない」——そんな、もっと根っこの部分での迷いでした。
私が踏みとどまれた理由
でも、私はそこで辞めませんでした。理由はシンプルです。
「どんな人にも、ちゃんとリハビリを届けられる理学療法士になりたい」——そう思い直したからです。
話を聞いてくれない人、わがままに見える人。そういう相手を「理不尽だ」と切り捨ててしまえば、それまでです。でも見方を変えれば、その人にちゃんと向き合えるようになることこそ、自分が成長する道だと気づいたのです。
理不尽だと感じた相手が、いつのまにか「辞める理由」ではなく「もっと上手くなりたいと思わせてくれる理由」に変わっていました。この転換ができたことは、私にとって大きな財産になっています。
💡 補足:もちろん、我慢して耐えろという話ではありません。暴言やハラスメントなど、耐える必要のない理不尽もあります。ここで伝えたいのは、「難しい相手」との出会いが、辞める理由にもなれば成長のきっかけにもなるということです。
辞める前に試してほしい3つのこと
「辞めたい」と思ったとき、私がおすすめしたいのは、いきなり退職ではなく、次の3つを順番に試してみることです。
① 職場を変える
いちばん効果が大きいのがこれです。私自身、職場を変えただけで悩みの大半が消えました。同じ理学療法士でも、場所が変わればまったく別の仕事に感じられます。
② 分野を変える
急性期・回復期・生活期、あるいは整形・脳神経・スポーツなど、対象を変えるのも手です。「リハビリが嫌い」なのではなく、「今の分野が合わないだけ」ということは、本当によくあります。
③ 見方を変える
これは最後の手段でもあり、いちばん奥が深い方法でもあります。私が理不尽な利用者さんを「成長のきっかけ」と捉え直せたように、つらさの意味づけを変えるだけで、続けられることもあるのです。
それでも辞めたいなら、それも正解
ここまで「辞めない選択肢」を中心に書いてきましたが、最後にひとつだけ。
3つを試したうえで、それでも辞めたいなら、辞めることも立派な正解です。
理学療法士として培った知識・コミュニケーション力・体を診る目は、他の仕事でも必ず活きます。無理に自分を追い込む必要はありません。大事なのは、勢いや我慢ではなく、納得して選ぶことです。
まとめ
「辞めたい」の正体を、まず「職場」か「仕事そのもの」かに分けて考えよう。職場が原因なら転職・異動で救われることが多い。仕事そのものに迷ったら、辞める前に“見方を変える”道も試してみてほしい。
私は、職場を変えて救われ、仕事そのものへの迷いは「どんな人にもリハビリを届けたい」という思いで乗り越えました。でも、それが唯一の正解だとは思いません。あなたにとって納得のいく選択が、いちばんの正解です。
私が実際にどう職場を変えてきたのかは、体験談としてくわしく書いています。あわせて読んでみてください。
🔗 あわせて読みたい



