「訪問リハビリって、自分の車で走り回ってガソリン代も自腹なんでしょ?」
訪問リハへの転職を考えている人から、こういう声をよく聞きます。実は私も、転職前は似たようなイメージを持っていました。
でも実際に働いてみると、会社が出してくれるものと、自分で買うものの線引きは、想像とはかなり違っていました。
この記事では、訪問看護ステーションで働く私の実例をもとに、訪問リハビリで実際にどこにお金がかかるのかを、実額で全部公開します。
📌 この記事で分かること
- 訪問リハで「会社が出すもの」と「自腹のもの」の線引き
- 自腹分は実際いくらか(初年度の内訳つき)
- 事業所によって差が出るポイントと、面接での確認方法
まず結論:車とガソリンは会社持ち。でも「雨と寒さ」は自分で買う
私の職場では、車両・ガソリン代・スマホまで会社負担です。
一方でレインウェア・防寒具・ズボンや靴は自腹。合計すると初年度で約7万円かかりました。
【一覧】会社が出すもの・自腹のもの
まずは全体像から。私の職場のケースです。
| 項目 | 負担 | 備考 |
|---|---|---|
| 移動手段(バイク・車) | 会社 | すべて社用車両 |
| ガソリン代 | 会社 | 全額負担 |
| ヘルメット | 会社 | 支給 |
| スクラブ(上衣) | 会社 | 支給 |
| スマホ・通信費 | 会社 | 連絡・記録用 |
| レインウェア | 自腹 | 約1万円/ほぼ毎年買い替え |
| 防寒具(グローブ・インナー等) | 自腹 | 初年度で約3万円 |
| ズボン・靴・靴下 | 自腹 | 年間で約3万円 |
| 勉強会・研修の参加費 | 自腹 | 休日を使って参加 |
会社が出してくれているもの
移動手段は「社用」だった
いちばん意外に思われるのがここです。訪問に使う車両は、すべて会社のもの。マイカーを持ち出す必要はありません。
しかも、役職や状況によって乗り物が分かれています。
- 通常のスタッフ:原付
- 一定以上の役職:小型バイク
- 妊娠中のスタッフ:車
妊娠中のスタッフに車が用意されるのは、地味ですが大きな配慮だと思います。こういう部分は求人票を見ても絶対に分かりません。
ガソリン代も会社負担
移動が仕事の一部である以上、ここが自腹だと負担は小さくありません。私の職場は全額会社負担です。
スマホ・通信費も支給
訪問先との連絡、記録、関係機関とのやり取りに使うスマホも支給されています。私物のスマホを業務に使わなくていいのは、プライベートとの線引きの面でも助かっています。
自腹で買っているもの【実額公開】
ここからが本題です。私が実際に自分のお金で買っているものを、金額つきで公開します。
① レインウェア:約1万円(ほぼ毎年買い替え)
原付で1日7〜8件回るということは、雨の日も走るということです。
そして、ここが見落とされがちなのですが、レインウェアは消耗品です。毎日のように着て、走って、畳んで、を繰り返すと生地が傷みます。私は1万円くらいのものを買って、だいたい1年で買い替えています。
② 防寒具:初年度で約3万円
冬の原付は、想像以上に寒いです。特に手。冬用グローブは5千円ほどしましたが、これがないと指がかじかんで運転が危ないレベルになります。
防寒インナーなども含めて、最初の冬で3万円ほどかかりました。
③ ズボン・靴・靴下:年間で約3万円
スクラブの上衣は支給されますが、下は自前です。
私の場合、年間でこれくらい買っています。
- ズボン:夏用2本・冬用2本
- 靴:1足
- 靴下:2足
靴は特に消耗します。訪問先では靴を脱ぎ履きし、移動では原付に乗る。一般的なデスクワークとは傷み方が違います。
④ 勉強会・研修の参加費
これは訪問リハに限らない話ですが、私の場合、勉強会の参加費は自腹で、参加するのは休日です。この話は理学療法士のスキルアップでくわしく書きました。
結局、自腹はいくらになるのか
■ 初年度(装備を一式そろえる年)
レインウェア 1万円 + 防寒具 3万円 + 衣類・靴 3万円 = 約7万円
■ 2年目以降
レインウェア 1万円 + 衣類・靴 3万円 + 防寒具の買い替え分 = 年4万円前後
※研修費は含んでいません。含めるともう少し増えます。
月あたりにすると3千〜6千円ほど。金額だけ見れば大きくないかもしれません。でもこれは手取りから出ていくお金です。「訪問リハは年収が高い」という話を聞くときは、こうした部分も頭に入れておくといいと思います。
💡 収入の側も見るなら:私が1日に生み出している売上はこちらの記事で計算しています。出ていくお金と入ってくるお金、両方を知ると、自分の働き方が立体的に見えてきます。
ここは事業所で大きく違う【転職時の確認ポイント】
いちばん伝えたいのはここです。
今回紹介したのは、あくまで私の職場の例です。訪問リハの費用負担は、事業所によって本当にバラバラです。
世の中には、こういう職場もあります。
- マイカー持ち込みが前提で、ガソリン代が距離に応じた手当のみ(車の維持費・保険は自分持ち)
- 私物のスマホを業務に使い、通信費の補助がない
- 逆に、防寒具や被服費まで手当が出る
同じ「訪問リハ・年収450万円」の求人でも、マイカー持ち込みか社用車かで、手元に残るお金は年間で数万円〜十数万円変わります。
⚠ 面接でこう聞いてみてください:
①「移動は社用車ですか、マイカー持ち込みですか?」
②「ガソリン代はどういう扱いですか?(全額/手当/自己負担)」
③「業務用のスマホは支給されますか?」
④「被服費や雨具の補助はありますか?」
給与額だけでは見えない差が、ここに出ます。私が面接で必ず聞いていることはこちらの記事にまとめています。
まとめ
訪問リハの自腹は、私の場合で初年度約7万円・2年目以降は年4万円前後。車両・ガソリン・スマホが会社負担かどうかで、手元に残る額は大きく変わる。求人票では分からないので、面接で必ず確認しよう。
「訪問リハは自由でいいね」と言われることがあります。たしかに自由な面はありますが、雨の日も真冬も外を走る仕事でもあります。そのための装備は、少しずつ、でも確実にお金がかかります。
とはいえ私は、この働き方に納得しています。知っておいてほしいのは「大変だからやめとけ」ということではなく、イメージではなく実態で判断してほしいということです。
訪問リハの1日の流れはこちらの記事で、転職の経緯はクリニックから訪問リハへ転職した体験談で公開しています。あわせて読むと、訪問リハの全体像が見えるはずです。
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