「新卒の最初の職場、どうやって選べばいいんだろう?」
「給料? 場所? それとも学べる内容? 何を優先すればいいの?」
理学療法士の養成校を卒業して最初に選ぶ職場は、その後のキャリアの土台になる大事な選択です。でも学生のうちは、判断の基準がなかなか分からないですよね。
私は2013年に新卒である病院を選び、そこで8年半働きました。そして13年目になった今、あらためて思います。あのときの職場の選び方は、正解だったと。この記事では、私が新卒で使った「3つの軸」を、実体験とともにお話しします。
📌 この記事で分かること
- 新卒PTが最初の職場を選ぶときの3つの軸
- 13年目の今、その選び方をどう評価しているか
- 学生のうちに意識しておくとよいこと
まず結論:新卒は「腰を据えて学べる環境」を選べばいい
新卒の職場選びで大事なのは、給料や知名度よりも「腰を据えて基礎を学べるか」。
私は①通いやすさ ②信頼できる人の助言 ③学べる技術、の3つで選んで正解でした。
私が新卒で選んだ職場と、その3つの理由
私が新卒で入ったのは、整形外科の急性期病棟と、整形外科・脳神経外科の回復期病棟をあわせ持つ、いわゆるケアミックスの病院でした。ここを選んだ理由は、正直シンプルです。
① 実家から近かった(通いやすさ)
一つ目は、実家から近かったこと。新卒の給料で無理に一人暮らしをするより、まずは実家から通える職場で腰を据えて学びたいと考えていました。
地味な理由に見えるかもしれません。でも、通勤の負担が小さいことは、新人時代の「学びに集中できる余力」に直結します。生活を安定させて仕事に打ち込める環境は、思っている以上に大事でした。
② 大学の恩師の助言(信頼できる人の言葉)
二つ目は、大学の恩師の言葉です。就職先に迷っていた私に、先生はこう言いました。
「一人ひとりの患者さんに、しっかり向き合える回復期がいいんじゃないか」
急性期の目まぐるしさよりも、時間をかけて患者さんの回復に寄り添う回復期のほうが、お前には合っている——そんなニュアンスだったと記憶しています。自分をよく見てくれている人からの助言は、進路を決める大きな後押しになりました。
③ インソール作成が学べた(身につけたい技術)
三つ目は、インソール作成に取り組んでいる病院だったことです。
運動療法の効果は、どうしても持続時間が限られます。でもインソールは、靴を履いている間じゅう、ずっと効果を発揮し続けてくれる。そこに大きな魅力を感じていました。この技術を学べる環境があることは、私にとって強い決め手の一つでした。
13年目の今、あの選択をどう思うか
家から近くて、恩師のすすめる回復期があって、興味のある技術も学べる。今振り返っても、新卒の職場選びとしては本当に良かったと思っています。
とくに「ケアミックスで急性期から回復期まで診られた」ことは、大きな財産になりました。手術直後の患者さんが、回復期を経て歩けるようになり、自宅へ帰っていく。その全過程に一人のPTとして関われた経験が、私の土台そのものになっています。
結果的に、私はこの病院に8年半在籍しました。ここで叩き込まれた基礎があったから、その後クリニックや訪問リハへ移っても通用したのだと思います。最初の職場で腰を据えて基礎を固めたことは、間違いなく正解でした。
新卒のあなたに伝えたい「職場選びのヒント」
私の経験から、これから就職先を選ぶ学生さんに伝えたいことをまとめます。
ヒント1:最初の数年は「稼ぐ」より「学ぶ」
新卒のうちは、給料の高さで飛びつくより、基礎をしっかり学べる環境を優先したほうがいいと私は思います。基礎さえ固まれば、収入は後からいくらでも上げられます。実際、私も転職を通じて年収を上げてきました。
ヒント2:急性期・回復期の両方を見られる職場は強い
病期をまたいで患者さんを診られる環境は、経験の幅がまるで違います。どの分野に進むにしても、「患者さんが良くなっていく全過程」を見た経験は一生モノです。
ヒント3:信頼できる人に相談する
私にとっての恩師のように、自分をよく知る人の助言は、求人票の情報より価値があることがあります。実習先の指導者や学校の先生に、遠慮なく相談してみてください。
⚠ 補足:職場の種類(病院・クリニック・訪問・施設)によって、学べることも働き方も大きく違います。それぞれの特徴は理学療法士の職場の種類と特徴まとめに整理したので、選ぶ前に読んでおくと視野が広がります。
まとめ
新卒の職場選びは「腰を据えて基礎を学べるか」で選ぼう。通いやすさ・信頼できる人の助言・学べる技術——この3つの軸は、13年目の私が今も自信を持って勧められる選び方です。
最初の職場は、キャリアのスタート地点にすぎません。でも、そのスタートで良い基礎を積めるかどうかは、その後を大きく左右します。焦らず、自分に合った「学べる環境」を選んでください。
ちなみに、私がその後どんなキャリアを歩んだのか——最初の病院を出て、クリニック、訪問リハへと移っていった道のりは、別記事にまとめています。あわせて読むと、新卒からの13年の全体像が見えるはずです。
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