「新人のうちって、どんな失敗をするんだろう?」
「患者さんにクレームを受けたらどうしよう……」
理学療法士になりたての頃、あるいはこれから現場に出る学生さんにとって、これは他人事ではない不安だと思います。
私は理学療法士として13年働いてきましたが、新人時代の思い出は、正直ほろ苦いものばかりです。この記事では、新人の私が患者さんからクレームを受けた話を正直にお話しします。そして、ベテランと呼ばれる年数になった今でも思っていることも、隠さず書きます。
📌 この記事で分かること
- 新人PTがやりがちな失敗のリアル
- 「話を聞いてくれない」というクレームの本当の意味
- 13年目の今でもクレームをもらう、という正直な話
まず結論:新人PTの最大の壁は、技術より「聴く力」
新人がつまずくのは、知識や技術の不足だけではありません。
いちばんの壁は「患者さんの話を聴けているか」。そして、これはベテランになっても完璧にはなりません。
いちばん堪えた失敗:患者さんからのクレーム
新人時代、いちばん堪えたのは患者さんからクレームが入ったことでした。
自分では、患者さんのために一生懸命介入しているつもりでした。それなのに、上がってきたのは——「話を聞いてくれない」「何をしたいのか分からない」という声。
ショックでした。一生懸命やっている「つもり」と、患者さんに実際に伝わっているものが、まるで違っていたのです。
技術や知識で至らないのは、新人だからまだ分かります。でも、患者さんに「話を聞いてもらえていない」と感じさせていた——これはリハビリ以前の問題です。恥ずかしさと情けなさで、しばらく引きずりました。
振り返ると、原因は「学生気分の甘え」だった
あの頃の私は、先輩や患者さんへの態度や言葉遣いも、正直まだ未熟でした。学生気分が抜けきらないまま、スクラブを着て患者さんの前に立っていたのです。
「一生懸命やっているのだから伝わるはず」——そんな甘えを、患者さんはちゃんと見抜いていたのだと思います。
そしてもう一つ、痛感していたのが知識の少なさでした。養成校で学んだはずの知識は、臨床の現場ではまるで足りない。先輩たちが患者さんの状態をすらすら評価して治療方針を組み立てていく横で、私は「なぜそうなるのか」が分からない。質問しようにも、何が分からないのかすら分からない時期もありました。
クレームのあと、私が変えたこと
この失敗のあと、私が意識し始めたのは、シンプルな2つのことです。
- まず、相手の話を最後まで聞く:自分の「やりたいリハビリ」を進める前に、患者さんが何を思っているかを聞くようにしました
- 先輩に相談して、関わり方を教わる:技術だけでなく、患者さんとの距離の詰め方を、先輩の背中から学びました
ただ、正直に言うと——劇的に行動が変わったというより、意識が変わっただけ、という気もしています。「話を聞こう」と思えるようになった。その一歩が、たぶん何より大きかったのです。
⚠ 新人さんへ:失敗を「行動でガラッと変えなきゃ」と気負わなくて大丈夫です。「聴けていなかったかも」と気づけたこと自体が、もう成長の一歩。意識が変われば、行動は少しずつ後からついてきます。
正直に言うと、13年目の今でもクレームをもらうことがある
ここからは、あまり他のブログには書かれていない本音です。
新人時代のクレームを乗り越えて、私は今、立派なベテランになりました——と言えたら格好いいのですが、実際は、最近でもクレームをいただくことがあります。13年やっていても、です。
最初は「こんなに経験を積んでもまだか」と落ち込みました。でも今は、こう考えています。「聴く力」は、一度身につけたら終わりの技術じゃない。一生かけて磨き続けるものなんだ、と。
患者さんも利用者さんも、一人ひとり違います。同じ関わり方が全員に通用するわけがありません。だから、ベテランでも失敗する。それが当たり前なのです。
だから、新人PTに伝えたいこと
もし今、クレームを受けて落ち込んでいる新人PTがいるなら、伝えたいことがあります。
まず、技術や知識の不足は、時間が解決してくれます。今、もし新人時代の自分に会えるなら、こう言いたいです。「知識は後からいくらでも付く。でも、患者さんの話を聴くことだけは、最初から手を抜くな」と。
そして、クレームは終わりじゃない。あのとき受けたクレームは、私の理学療法士としての土台を作り直してくれた、痛くてありがたい出来事でした。落ち込むのは、真剣に向き合っている証拠です。
💡 ちなみに:新人時代に「話を聞いてくれない」と言われた私は、今度は逆に、話を聞いてくれない患者さんに出会って悩むこともありました。その話はこちらの記事で書いています。立場が変わると、見える景色も変わるものです。
まとめ
新人PTの最大の壁は「聴く力」。それはベテランになっても完璧にはならない、一生磨き続ける技術。だからクレームで落ち込みすぎなくていい。気づけたこと自体が、もう前進です。
新人時代の失敗は、恥ずかしいものです。でも、あの経験があったからこそ、私は「患者さんの話を聴く」という当たり前の大切さに気づけました。13年経った今も、その学びの途中にいます。
この失敗だらけの新人時代から、私がどんなキャリアを歩んできたのかは、別記事にまとめています。あわせて読んでみてください。
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