クリニックから訪問リハビリへ転職した体験談|良かったこと・大変だったこと

転職体験談

「訪問リハビリって、実際どうなんだろう?」
「在宅は自由に働けそうだけど、年収は下がるの?」

私は整形外科クリニックで働いたあと、2024年に訪問看護ステーションの訪問リハビリへ転職しました。年収は1年目で80万円ほどダウン。それでも、この選択に後悔はありません。

この記事では、クリニックから訪問リハへ移った私の体験を、良かったことも大変だったことも含めて正直にお話しします。

📌 この記事で分かること

  • なぜ年収を下げてまで訪問リハを選んだのか
  • 訪問リハで「良かったこと」と「大変だったこと」
  • 訪問リハへの転職が向いている人

まず結論:訪問リハは「働き方」を取り戻せる。ただし在宅は甘くない

訪問リハは、生活に寄り添うやりがいと働き方の自由が手に入る職場。
ただし「在宅=のんびり」ではなく、年収も事業所によって大きく変わります。

なぜクリニックを辞めて、訪問リハを選んだのか

理由は、押し出された理由と、引き寄せられた理由の両方がありました。

辞めたかった理由:拘束時間と、人間関係

クリニック時代は、朝早くから夜遅くまでの生活でした。担当患者数が多く、始業前に情報収集を済ませないと診療が回らない。夕方以降は学校帰りや仕事帰りの患者さんに対応するため、夜まで介入が続く。昼休みは長いのに、自分の生活に使える時間はほとんど残りませんでした

加えて、上司との関係にも深く悩んでいました。年収は上がり、施術の腕も磨けている。それでも「ここではもう続けられない」——そう感じるようになっていました。

選んだ理由:病院時代に見た「生活」の風景

一方で、心に残り続けていた光景がありました。病院時代、関連施設の応援で訪問リハに行ったときの記憶です。

患者さんの自宅に上がらせてもらうと、病院の中からは決して見えなかった「生活」が見える。リハビリ室での100メートル歩行と、その人の家のトイレまでの5メートルは、まるで意味が違いました。

「在宅で、その人の生活に寄り添うリハビリがしたい」——10年近く前の経験が、ここで効いてきたのです。

正直に言うと、もう一つ動機がありました。「訪問リハなら、海沿いをバイクで走りながら働けるな」。不純に聞こえるかもしれませんが、診療室にこもる生活で消耗していた私には、移動時間に気分を切り替えられることが立派な「労働条件」に思えたのです。

転職先を決めた3つの理由

転職活動では転職エージェント(PTOTSTワーカー)を使い、5〜10件ほどの求人を紹介してもらいました。その中から今の職場を選んだ決め手は、次の3つです。

  • 働いている人がのびのびしていた:消耗しきっていた私には、この雰囲気がなにより魅力的でした
  • 副業がOK:働き方の自由度を求めていたので、大きなポイントでした
  • エリアが海沿いだった:例の願望が、そのまま叶う場所だったのです

年収の条件は、正直この3つより下の優先順位でした。クリニックでの経験が、私の優先順位を完全に入れ替えていたのです。

訪問リハに転職して「良かったこと」

① 「生活」の中でリハビリができる

これが最大の収穫です。家の段差、家族との関係、一日の過ごし方——暮らしの文脈の中でリハビリを組み立てられる。理学療法士を志したときに思い描いていた「人の生活を支える仕事」に、一番近い場所だと感じています。

② 働き方の自由度が高い

移動はありますが、診療室に一日こもる生活からの解放感は想像以上でした。海沿いをバイクで走って利用者さんの家へ向かう時間は、本当に良い気分転換になっています。副業がOKなのも、生活の選択肢を広げてくれました。

③ 年収に「伸びしろ」がある

後述のとおり1年目は下がりましたが、仕事に慣れて担当する利用者さんが増えると、収入も伸びていきます。実際、私も2年目には450万円ほどまで持ち直し、クリニック時代との差は30万円ほどに縮まりました。

訪問リハに転職して「大変だったこと」

ここからは、正直に書きます。訪問リハは、イメージだけで選ぶと必ずギャップを感じます。

① 1年目は年収が80万円ダウンした

覚悟のうえでしたが、実際に手取りが減ると生活へのインパクトは小さくありません。訪問リハの給与は事業所によって体系がまったく違い、歩合(インセンティブ)制なら高年収も狙える一方、転職直後は担当が少なく収入が伸びにくいのが現実です。

⚠ 教訓:年収が下がる転職をするなら、下がる金額と、その間の生活をどう支えるかまで具体的に見積もっておきましょう。私はここが少し甘かったです。

② 移動と記録に時間を取られる

「利用者さんと関わる時間」以外の仕事が、意外と多い。移動時間、記録、関係機関との連絡——ここは覚悟が必要です。

③ 対応の難しい利用者さんもいる

病院と違い、一対一でその人の生活圏に入っていく仕事です。関係づくりの難しさは病院の比ではありません。相性が合わない場面も、正直あります。

④「在宅=自由でのんびり」は幻想だった

私自身、どこかで「在宅は自由でのんびり働ける」というイメージを持っていました。でも現実は違います。職場の種類を“雰囲気”で判断するのは危険だと痛感しました。

訪問リハへの転職が向いている人

私の経験から、こんな人には訪問リハが合うと思います。

  • 生活期のリハビリにやりがいを感じる
  • 一人で回る裁量と責任を楽しめる
  • 働き方の自由度を重視する人

逆に、次のような人は慎重に検討したほうがいいかもしれません。

  • 「こうしたい」という自分の方針が強すぎる人:病院では医師の治療方針が重視されますが、在宅は利用者さんファースト。リハビリの方向性は、利用者さん本人の意向に大きく左右されます。「自分の理想のリハビリを貫きたい」という思いが強い人は、ギャップを感じるかもしれません
  • 車やバイクの運転が苦手・できない人:訪問は移動が仕事の一部です。運転が嫌いだと、毎日のことなので負担が大きくなります
  • 収入が一時的に下がるのが厳しい人

💡 私が面接で確認したこと:訪問リハを検討するなら、面接で次の4つは聞いておくのがおすすめです。①副業は可能か ②給与の振込はネット銀行でも大丈夫か ③有休や時間給は取りやすいか ④外部研修の参加費は出るのか。どれも入職後の生活や成長に直結する、地味だけど大事なポイントです。同じ「訪問リハ」でも、事業所ごとに働き方はまったく違います。

まとめ

訪問リハは、年収が一時的に下がっても「働き方」と「やりがい」を取り戻せる職場。ただし在宅は甘くないので、事業所ごとの実態を必ず確認してから決めよう。

年収は下がりました。それでも、海沿いの道をバイクで走って利用者さんの家に向かい、その人の暮らしのためのリハビリをする今の働き方に、私は納得しています。

この転職の前段——病院から整形外科クリニックへ移った1回目の話は、別記事で書いています。あわせて読むと、私の13年間の全体像が見えるはずです。

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